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Vol.1 預貯金で資産は増えるのか?

 「小金持ち講座」第1回目は身近なところで「預貯金」について考えてみたいと思います。ほとんどの方が預金口座をお持ちだと思いますが、この機会にご自身の預金口座のあり方についてもう一度考えてみましょう。

■預貯金のしくみ

 私たちはよく「銀行にお金を預ける」と言います。しかし、実は私たちは預けたのではなくて貸しているのです。お金を借りたらその使用料として利息を払わなければなりません。だから私たちは銀行から利息をもらえるのです。

 銀行は私たちから借りたお金を、企業や個人にまた貸しし、利息をもらっています。預金者に支払う利息と借主から受け取る利息の差額が銀行の儲けになるというわけです。このような銀行のしくみを間接金融とよんでいます。

■金利いろいろ

 利息(金利)とは銀行が預金者に支払う「お金の使用料」のことです。金利率とは通常「年率」を表します。例えば、「定期預金、金利1%」とうたっているものなら1年間預けたら1%の利息がつきますよ、ということです。この定期預金を半年で解約してしまったら(中途解約のペナルティがないものとして)、半分の0.5%の金利しかもらえません。

 金利には「単利」と「複利」そして「利回り」があります。単利の場合、常に当初預入れされた元本に対してのみ利息が計算されます。一方、複利商品の場合、一定期間毎に支払われる利息を元本に足して、これを新しい元本とみなして利息が計算されます。複利は利息計算の元となる元本がドンドン大きくなりますので、単利に比べてずいぶんお得になります。

 利回りとは、ある一定期間で得られる利息や収益を1年当たりではいくらになるのかと計算して、それを預け入れ当初の元本で割って計算されたものです。利率とは逆の発想と思っていただいて良いでしょう。

 例えば1年複利1%の商品の利回りを計算してみましょう。3年間の利息合計は、3万301円になります。これを3年で割り、さらに元本の100万円で割ります(3万301円÷3年÷100万円×100)。すると1.0100333%となります。これが利回りです。

 最終的にもらえる額まったく同じなのに、利回りの方が若干高い数字になりましたね。金融商品の説明をみるときは、そこに書いてあるものがどういった金利表示なのかに注意してください。

■賢い預貯金の方法とは?

 金利についてお話しましたが、現在の低金利では、金利に頼って資産を殖やすのは困難です。金利1%の定期預金でも資産を2倍にするのに72年もかかります。

そこで、預貯金は資産を殖やすのではなく、安全なおサイフだと割り切ってしまいましょう。自分にとって入金、出金、振込がしやすい口座を選ぶといいでしょう。預金口座は、金庫のような安全性を備えた便利なおサイフなのです。もし、預貯金で資産を作ろうと思ったら、オススメは積立預金ですコツコツ続けていれば、知らないうちに意外と大きな金額になっています。お勤め先に利率の良い財形貯蓄がある人は、ぜひ利用してみてください。

今回のポイント

1.預金とはお金を貸すこと
2.単利、複利、利回りの違いに気をつけよう
3.預貯金口座は、おサイフ口座


2005-07-19 11:30  nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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コメント 4

かみやま

なるほど、定期預金にしがみついてきたわたしはどーなんでしょう?ウチの会社は財形貯蓄をやれるんでしょうか?
by かみやま (2005-07-20 17:55) 

谷口直樹

かみやまさま、はじめまして!
コメントありがとうございます。

定期預金についてですが、積立でない定期預金は、言ってみれば”金庫”のようなものだと思います。
自分の資産をしっかり守る!定期預金は解約が面倒ですので、ついつい浪費してしまう方には良いのではないかと思います。

ただ、資産を増やすためにはちょっと効率が悪いことも事実です。
例えば年率1%の定期預金の場合、利息のみで資産を倍増しようとしたら72年もかかってしまいます。

資産を効率的に増やそうと思ったら、ある程度のリスクを取る必要があります。
つまり、投資商品も視野に入れるということです。
どうしても守らなければならないお金は定期預金に、余剰金は投資商品に、という具合にそのお金の性質に応じて資産を分散してみてはいかがでしょう?

絶対、リスクはいやだ!という方には、やっぱり積立預金をオススメします。
「継続は力なり」です。

最後に財形ですが、お勤めの会社が財形をしているかどうかは会社によってまちまちですので総務担当の方に聞いてみてください。
by 谷口直樹 (2005-08-02 09:53) 

東京テレメッセージ

はじめまして
プログ拝見しました
実際にうちも、円定期預金ではなく、外貨貯蓄預金で積み立てをしてます
実際に、リスクはあるが毎月15日あたりに金利がつくそうだ
その反面、個人向け国債ねぇ・・なんかいまいち買いにくい
あなたの立場だったらどう考えるべきなのか教えてほしい
by 東京テレメッセージ (2005-08-27 15:18) 

谷口直樹

東京テレメッセージさま、
コメントありがとうございます。

外貨貯蓄預金で積立されてるということですので、
外貨積立の長所と短所を確認してみたいと思います。

短所:
1.為替リスク(外貨の値段が下がる)がある。
2.預入・引き出しともにTTS・TTBとして金融機関から手数料を徴収される。

長所:
3.外貨の値段が上がれば、為替差益が得られる
4.比較的利率が高い。
5.積立なのでドルコスト平均法により、ある程度為替リスクを抑えることができ
る。

この中で一番問題になるのは、1と3です。
為替レート(外貨の値段)は刻々と変化していますので、いくら金利が高い商品で
も場合によっては元本割れするおそれがあります。
もちろん逆に大きく儲かることもあるのですが……
したがって、リスクも大きいが、大きくもうけられる可能性もある、ということに
なります。

一方、個人向け国債は変動利率ではありますが、元本割れする確率は極めて低くな
ります。
日本がデフォルト(破産)を起こさない限り、少なくとも自分の財産は守られま
す。
(最低金利保証=0.05%なので、途中解約しない限り金利がマイナスになるこ
とはない)
したがって、リスクは限りなくゼロに近い、が大きく儲けるのは難しい、というこ
とになります。
(平成18年1月10日に支払われる金利は、0.45% 平成16年9月1日現
在)

外貨商品は投資もしくは投機的性格が強いですので、よくリスクを見極めたうえ
で、
余剰資金(ご自身のライフプランにとってどうしても必要な資金以外の資金)で行
うのがポイントかと思います。

*積立は、ドルコスト平均法といって、外貨を買う金額を固定し、外貨が高いとき
は少なく買い、安い時は多く買うという方法が取れます。
この方法を使えば、外貨の購入金額が平均化されますので、いわゆる「高値つか
み」ということが少なくなり、ある程度為替リスクを抑える効果が期待できます。
by 谷口直樹 (2005-09-14 11:53) 

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